白凰・朱里
2023.6.30(Fri)
2023年6月[43件]
2023年6月30日
2023年6月29日
2023年6月28日
2023年6月27日
火風火・猫猫
2023.6.27(Tue)
2023年6月26日
2023年6月25日
2023年6月24日
白凰・朱里
2023.6.24(Sat)
2023年6月23日
【黒羽】「……ミル様」
【ミル】「この程度の湿気じゃ、大した広がりにはならないよなー。……けど、まぁ、限定デラックスショコラシュークリームが食べられるようになっただけマシか。早く黒羽、帰ってこないかなー」
【黒羽】「そういうことですか、ミル様」
【ミル】「うわぁ、びっくりした! ……え、あれ? 黒羽、いつ戻ってたの?」
【黒羽】「さっき、あゆなさんにお会いしましたよ。どうもおかしいと思ったら、やっぱりそれが狙いだったんじゃないですか」
【ミル】「え、あれ? もしかして、全部聞いてた? ち、違うよ、違う! 僕は、ただ純粋にシュークリームをね……って、ちょっと待ってよ、黒羽! 顔、コワッ!」
【黒羽】「まったく、貴方という人は……! どこまで人をおちょくれば気が済むのですか!? 当分の間、おやつは抜きです!」
【ミル】「そんなぁ……! じゃあ、そのシュークリームは!? もったいないじゃん!」
【黒羽】「そうですね。あゆなさんが食べたいとおっしゃっていたので、今からお届けに行って参ります」
【ミル】「え!?」
【黒羽】「貴方は私が戻るまでに報告書を仕上げておいてくださいね。では」
【ミル】「え……あ、ちょっと、待ってよ、黒羽! 僕が悪かったって……! シュークリームぅぅぅー!」
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(小悪魔探偵と鏡の魔女@ミル・シャルルドゥフィアの探偵事務所)
2023年6月22日
【あゆな】「あ、黒羽さん」
【黒羽】「奇遇ですね。あゆなさんもこちらのシュークリームを買いに?」
【あゆな】「そうなんです。急にイトコが遊びに来ることになっちゃって、お茶請けにね。黒羽さんは?」
【黒羽】「私は、ミル様に振り回されて……あ、いえ、ミル様に頼まれて、お使いです。こちらの『時の見る夢』の限定スイーツが食べたいとおっしゃるので……」
【あゆな】「そうなんだ。わー、デラックスショコラだー! いいなぁ。私、これ買えなかったんですよね。売り切れちゃってて……」
【黒羽】「そうなのですか。では、後程、ミル様の探偵事務所にいらっしゃった時にでもお出ししましょう」
【あゆな】「え……でも、それって、ミルくんのおやつでしょ? 私なんかが頂いちゃってもいいのかな?」
【黒羽】「構いませんよ。そのために、私がこうして買いに来たのですから。……ところで、あゆなさん。本日は、何時頃いらっしゃるご予定ですか?」
【あゆな】「え、今日? 私が、ミルくん家に……?」
【黒羽】「はい。ミル様から本日あゆなさんと七夕さんがいらっしゃると伺ったのですが……。違うのですか?」
【あゆな】「えーっと……だって、私は、これからイトコと一緒に温泉旅行だし……。七夕ちゃんも確か今日は家族で映画を見に出掛けているはずだから、ミルくん家にお邪魔出来るとしたら、来週とかになっちゃうと思うけど……」
【黒羽】「……え?」
【あゆな】「でも、それまでシュークリームを保存しておいたら傷んじゃうだろうし、やっぱりそれはミルくんのおやつにあげてください」
【黒羽】「はぁ……。では、なぜ私はここにいるのでしょうか」
【あゆな】「なぜって、お買い物じゃないんですか?」
【黒羽】「まさか……! すみません、あゆなさん。急用を思い出しましたので、私はこれで失礼します」
【あゆな】「あ、黒羽さん! ……うーん、どうしたのかな」
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(小悪魔探偵と鏡の魔女@時の見る夢)
2023年6月21日
【黒羽】「いかがなさいました? ミル様」
【ミル】「この雑誌に出てる『時の見る夢』の限定デラックスショコラシュークリームが食べたいんだけど、お前、今すぐひとっ走り行って、買って来てくれない?」
【黒羽】「はぁ?」
【ミル】「あそこのシュークリームは、チョコレートクリームとカスタードクリームのダブル構造になっていて、柔らかな食感ととろけるようなスウィーティ―な甘みが絶品なんだって。かづっちゃんに聞いたけど、今、期間限定の特売セールをやってるらしいよ。手に入れるなら、今しかないでしょ」
【黒羽】「……何をおっしゃっているのですか、ミル様。おやつなら、先程、青海苔のお煎餅をたらふく平らげたばかりでしょう。そんなにおやつばかり食べていたら、むし歯になりますよ」
【ミル】「平気だって。歯はいつもちゃんと磨いた後、お前にチェックしてもらってるだろ? それでむし歯になったら、僕じゃなくてお前の責任だ」
【黒羽】「どんな責任転嫁ですか。ダメですよ。もうじき夕食の時間なのですから、それまで我慢してください」
【ミル】「えー……」
【黒羽】「『えー』じゃありません。ただでさえ、今日は天気が一日中雨の予報なのですから。出来ることなら、私は出掛けたくないのですよ。ホラ、分かったら、貴方はさっさと昨日の依頼の報告書をまとめてください。夕方までに終わらせて頂かないと、後でチェックしてクライアントにお渡しするという私の役目が果たせないでしょう」
【ミル】「シュークリームはー?」
【黒羽】「またの機会にしてください」
【ミル】「ちぇっ。せっかく雨と湿気で髪の毛がぶわーってなってるお前の面白い姿が見られると思ったのに……。残念」
【黒羽】「……まさか、ミル様。それが目的で私に買い出しに行けとおっしゃったのではありませんよね?」
【ミル】「え!? あ、違うよ! 違う! 僕は、ただ純粋にシュークリームが食べたいって思ってるだけ!」
【黒羽】「……なら、よいのですが。貴方の言動には、いつも何か裏があるような気がしてなりません」
【ミル】「勘ぐり過ぎだって」
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【ミル】「あー、そういえば、確か今日はこれからあゆなと七夕が来るって言ってたよなー」
【黒羽】「あゆなさんたちが、ですか?」
【ミル】「そ。さっき、メールが届いたんだ。いいのかなー? わざわざ足を運んでくださるお客様にお茶菓子の一つも用意しないなんて……。きっとここの探偵事務所の評判はガタ落ちだよ。依頼人が激減して仕事がなくなったらどうするのかなー?」
【黒羽】「その手には乗りませんよ。ミル様。第一、来客用のお茶菓子なら問題ありません。先日、私が大量に買い揃えておきましたので。そう簡単に減るはずはありませんよ」
【ミル】「どうだか。ホラ、昨日、かづっちゃんが来たじゃん」
【黒羽】「はっ!」
【ミル】「彼が軽く数時間いるだけで、家にあるおやつは即行で空になる現状を忘れたの?」
【黒羽】「……そうでした」
【ミル】「それに、もうすぐクライアントがこの報告書を取りに来る時間だろ? お前もうかうかしてられないんじゃないか?」
【黒羽】「はぁ、分かりました。急いで買い出しに行って参ります」
【ミル】「うん。そうしてもらえると助かるよ。僕はこの書類を仕上げちゃわないといけないから、同行出来ないけど……。一人で大丈夫だよね?」
【黒羽】「問題ありません」
【ミル】「なら、決まりだ。頼んだよ。黒羽」
【黒羽】「承知致しました」
【ミル】「ねぇ、黒羽」
【黒羽】「今度は何ですか?」
【ミル】「雨、止んだみたいだよ。よかったじゃん」
【黒羽】「……そうですね。では、後程」
【ミル】「デラックスショコラシュークリーム、忘れないでよねー!」
【黒羽】「はいはい」
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(小悪魔探偵と鏡の魔女@ミル・シャルルドゥフィアの探偵事務所)
2023年6月20日
【ミル】「ふぁぁぁ……。あと5分……」
【黒羽】「いけません。今日はこれから来客があるのですから。きちんとなさってくださらないと困りますよ」
【ミル】「うーん、むにゃむにゃ……」
【黒羽】「やれやれ、またそんな恰好で転寝を……。風邪を引いたらどうなさるおつもりですか?」
【ミル】「……」
【黒羽】「それに、何ですか? この本の山は……。寝転がりながら読書をするのは、目が悪くなるからダメだと何度も申し上げたでしょう。聞いていらっしゃるのですか? ミル様」
【ミル】「はぁ、相変わらず朝から元気だなぁ、お前は……。そんなに声張り上げて疲れないのか?」
【黒羽】「誰のせいだとお思いですか。私だって、好きで声を張り上げているわけではありませんよ。あー、またひどい寝癖が……。こちらに座ってください。すぐ梳かしますので」
【ミル】「どうだか。最近、僕はお前に説教食らってる時間しか味わってない気がするよ」
【黒羽】「いいから、早くお座りください」
【ミル】「そう怒るなって。……で? 今日は誰が来るんだって?」
【黒羽】「午前10時にあゆなさんと七夕さんが、それと、午後2時にはハートアプリコット嬢がいらっしゃる予定です」
【ミル】「プレセアか。へぇ、賑やかになりそうだね」
【黒羽】「そうですね。くれぐれも彼女たちに妙なちょっかいを出されないようにお願いしますね」
【ミル】「えー!? それが楽しみなんじゃん!」
【黒羽】「ダメです」
【ミル】「イテテテテッ! 黒羽、もうちょっと優しくしてくれよー」
【黒羽】「十分優しいつもりです」
【ミル】「どこがだ。痛っ……!」
【黒羽】「ハイ、終わりましたよ。とにかく、貴方は私の主なのですから、それくらい自覚して頂かないと……」
【ミル】「分かったよ」
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【黒羽】「それと、本日午後6時に一ノ瀬財閥の次期総帥、一ノ瀬氷景様との会談がございます。昨夜お渡しした書類にもきちんと目を通しておいてくださいね」
【ミル】「一ノ瀬……? あぁ、ひかちゃんね。僕に何の用事かな?」
【黒羽】「ご依頼だと伺っておりますが、詳しいことは私にも……」
【ミル】「確か、蓮ちゃんのことで頼みたいことがあるって言ってたっけ。彼もいろいろとキナくさいからね。何企んでるのか分からないし……。裏社会の要人としての地位もかなりのものだしね」
【黒羽】「お気を付けください。何かの罠かもしれません」
【ミル】「大丈夫だよ。いざとなったらばっくれるし。その時はお前に任せるよ。黒羽」
【黒羽】「はぁ、かしこまりました。……ところで、先程から気になっていたのですが、そのひかちゃんとか、蓮ちゃんとかいう呼称は何ですか?」
【ミル】「へへ、いいだろ、別に。僕は男を呼び捨てにするのは趣味じゃないんだよね」
【黒羽】「おや、私のことはずっと昔から呼び捨てにされていらっしゃいますが、それはよろしいのですか?」
【ミル】「お前は別。僕はお前の主なんだろ? だったら、細かいことは気にしないで」
【黒羽】「……然様でございますか」
【ミル】「とにかく、まずは朝ご飯だね。おなかすいちゃったよ」
【黒羽】「お食事の用意は整っております」
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【架月】「よぉ、ミル!」
【黒羽】「なっ……!?」
【ミル】「かづっちゃん! それに、あゆな。どうしたの? 二人揃って」
【架月】「いやー、さっきそこで偶然旭ヶ丘に会ってさ。これからお前んちに行くって言うから、俺もごちそうを食わせてもらいに来たぜ。うぉー、美味そうなケーキじゃん! これ、もーらいっと!」
【黒羽】「あー! ダメですよ。架月さん! それは今日の来客用に……と、買っておいたものなのですから!」
【架月】「もぐもぐ……。来客って、俺らだろ? ……なら、気にすんなって。うぉー、これうめぇ!」
【黒羽】「架月さん!」
【あゆな】「あ、ミルくん、もうすぐ七夕ちゃんたちも来るみたいだよ。さっき、メールで言ってた」
【ミル】「そうなの? あーあ、どうする? 黒羽。ケーキ、なくなっちゃったよ」
【架月】「おかわり!」
【黒羽】「はぁ、また買いに行かなければ……。外は雨だから出掛けたくないのですが……」
【ミル】「僕も付き合うよ。黒羽。ついでに、ちょっと見たいものもあるしね」
【黒羽】「何ですか? 見たいものって……」
【ミル】「ん? 内緒」
【黒羽】「分かりました。では、外出の用意をして参ります」
【架月】「なになに? またケーキ買いに行くのか!? 俺も付き合うぜ!」
【黒羽】「結構です!」
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(小悪魔探偵と鏡の魔女@ミル・シャルルドゥフィアの探偵事務所)
2023年6月19日
2023年6月18日
皇家・緑焔
2023.6.18(Sun)
2023年6月17日
皇家・緑焔
2023.6.17(Sat)
2023年6月16日
【寧々菓】「え? あ、あの、黎明さん、これ……」
【黎明】「やるよ」
【寧々菓】「……い、今、何て?」
【黎明】「だから、やるっつってんだよ。誕生日だろ、今日」
【寧々菓】「あ、はい。そうですけど……」
【黎明】「お前の好きな、何とかっつー店の……抹茶いちごチョコ何とかだ」
【寧々菓】「何とかって……」
【黎明】「いいから、黙って受け取れっつーの。……ってか、要らねぇなら、返せ」
【寧々菓】「い、要ります、要ります! あ、ありがとうございます。黎明さん」
【黎明】「……つーか、それ、後で俺にも食わせろよ」
【寧々菓】「はい?」
【黎明】「今日の昼休みに屋上まで持って来い。分かったな、菓子女」
【寧々菓】「!?!?!?」
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(我ら、白凰魔法騎士団!@呉乃)
2023年6月15日
【寧々菓】「えー!? 今、頼まれたものを買って帰って来たばかりなのにぃー! ……っていうか、必要なら最初から言ってくださいよー! お昼休みが終わっちゃうじゃないですかー!」
【黎明】「仕方ねぇだろ。なんか急に食いたくなったんだよ。ホラ、早くしねぇと売り切れちまうぞ。買えなかったら、1キロ先のコンビニまでダッシュだからな」
【寧々菓】「そんなぁー!」
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(我ら、白凰魔法騎士団!@呉乃)
2023年6月14日
皇家・緑焔
2023.6.14(Wed)
2023年6月13日
ナイメア
2023.6.13(Tue)
2023年6月12日
2023年6月11日
【紅蓮】「アハハ、さすがは虹河ちゃん。気付かれてたか」
【虹河】「紅蓮……。何の用だ? 私は今、忙しいんだ。要件があるなら、手短に言え」
【紅蓮】「紅茶、飲まない? それからアップルパイも……。作り過ぎちゃってさ」
【虹河】「人の話を聞け。言っただろう。私は今、忙しいと……。お前に構っている暇などない。分かったら、早々に立ち去れ」
【紅蓮】「ハイ、ストレートティー。それから、虹河ちゃん。アップルパイ、好きだろ?」
【虹河】「む……」
【紅蓮】「あんまり根を詰めると、身体に悪いよ。少しは休憩しなきゃ」
【虹河】「誰のせいでこうなったと思ってるんだ!? 大体、お前がナンパばかりして仕事を溜め込むから、私が苦労しているんじゃないか! それなのに……!」
【紅蓮】「ハイ、虹河ちゃん」
【虹河】「むぐ……。もぐもぐ……。これ、お前が作ったのか?」
【紅蓮】「まぁね。最初は火南と火粉のおやつにするつもりだったんだけど……」
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【火南】「……ったく、もう。何だよ、こんなクソ暑い日のおやつがそれかよ。もうちょい気の利いたもん食わせろよな!」
【火粉】「もう、ワガママ言わないの。せっかく紅蓮ちゃんが作ってくれたんだから。嫌なら火南は今日のおやつ抜きね」
【火南】「はぁ!? ふざけんなよ、火粉! 俺は要らねぇとは言ってねぇ!」
【紅蓮】「まぁまぁ、二人とも喧嘩しないで。じゃ、火南には俺が代わりにアイス買って来てあげるから」
【火南】「やりぃ!」
【火粉】「えー、火南ばっかりズルーイ! 私もアイス食べたーい!」
【紅蓮】「分かった、分かった。じゃ、せっかく作ったこれは、どうしようかな?」
【火南】「虹河にでもあげればいいじゃねーか。大好物なんだろ?」
【紅蓮】「そうだね」
【火粉】「ゴメンねー。紅蓮ちゃん。せっかく作ってくれたのにー」
【紅蓮】「ハハハ、いいよ。別に……。うん、そうだね。そうするか」
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【紅蓮】「……ってな感じのやり取りがあったことは、内緒にしておいた方がいいかな。なんかこっちがついでみたいな感じになっちゃうしね」
【虹河】「?」
【紅蓮】「まぁ、いろいろあってさ。今日は暑いから冷たいアイスの方がいいって、二人に返されちゃったんだよね。アハハ。まったく困ったもんだよ」
【虹河】「そうか。……しかし、火炎の朱雀の精霊がアイスって、溶けないのか?」
【紅蓮】「さぁね。……ま、お陰で俺はこうして虹河ちゃんと二人きりの時間を過ごせるわけだし」
【虹河】「!」
【紅蓮】「こうでもしなきゃ、虹河ちゃん、俺の言うことなんて聞いてくれそうにないからさ」
【虹河】「分かっているなら、むやみやたらに絡むのは止めてもらいたいものだな。桐流兄さんにも釘を刺されているはずだ。私にちょっかいを出してばかりでは、いつかお前、恐ろしい制裁を受ける羽目になるぞ」
【紅蓮】「アハハ! そいつは楽しみだ」
【虹河】「笑い事じゃないだろう!? まったく、もう……。何なんだ。この男は……。調子、狂う」
【紅蓮】「よかった。いつもの虹河ちゃんだ」
【虹河】「はぁ?」
【紅蓮】「心配してたんだ。最近、元気がないから」
【虹河】「べ、別にそんなことは……。ただ、ちょっと疲れがたまっていただけだ」
【紅蓮】「フフ。そっか。……じゃ、そろそろ俺は行くよ。仕事の邪魔して悪かったね。また来るよ」
【虹河】「もう来なくていい。お前も仕事しろ」
【紅蓮】「フフ。虹河ちゃんのそういう所、俺は結構好きだよ」
【虹河】「……っ! 調子に乗るな!」
【紅蓮】「痛っ……!」
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(我ら、白凰魔法騎士団!@虹河の研究室)
白凰・朱里
2023.6.11(Sun)
【千歳】「……星、見てた。今夜は、流星群が見られるって言ってたから」
【氷景】「あぁ、そういえば、今朝のニュースでそんな話をしてましたね」
【千歳】「氷景は?」
【氷景】「僕も目が覚めてしまったんですよ。今夜は特に寝苦しいですからね。まったく、異常気象ですよ」
【千歳】「……」
【氷景】「隣、いいですか?」
【千歳】「別に構わない」
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【氷景】「そういえば、初めて会った日のこと覚えてますか?」
【千歳】「え?」
【氷景】「あの時も今日のように蒸し暑い夜でした。君はちょうどこの場所に座ってて、僕が『どうしたのか』と尋ねると、今と同じく『星を見てる』と……。フフフ、歴史は繰り返すとはよく言ったものですね。先人の名言です」
【千歳】「そうだった?」
【氷景】「えぇ。覚えてませんか?」
【千歳】「昔のことは、あまり……」
【氷景】「そうですか」
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【千歳】「……氷景」
【氷景】「何ですか?」
【千歳】「私、あれから役に立ってる?」
【氷景】「さぁ。どうですかね」
【千歳】「氷景の役に立つことが、私の役目。存在意義。なのに、氷景は何も言わないから。時々不安になる。私がここにいる理由が、ちゃんと果たせてるのかって……」
【氷景】「フッ、そうですね。千歳が本気で僕の役に立ちたいと願うなら、今はそれだけで十分ですよ。結果は後から付いてくるものです」
【千歳】「……なら、いいけど」
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【千歳】「……そういえば、今朝、氷景宛てに手紙が届いてた」
【氷景】「手紙? 誰からですか?」
【千歳】「ミル・シャルルドゥフィアの探偵事務所から」
【氷景】「……あぁ、彼ですか」
【千歳】「何か、依頼?」
【氷景】「いえ。最近、ちょっと暇なので、退屈しのぎにゲームでも仕掛けてみようかと思いまして。彼はいわばプレーヤーですよ」
【千歳】「ゲーム?」
【氷景】「もちろん、千歳にも参加してもらいますよ。僕の役に立ってくれるなら、報酬も弾みますので」
【千歳】「お金は要らない。お菓子か、本がいい」
【氷景】「フッ、お金をもらって好きなものを買えばいいのでは? 欲しいものがたくさん手に入りますよ」
【千歳】「最初から欲しい物をもらった方が楽。余計な手間暇が掛からなくて済む」
【氷景】「フフフ、君は安上がりでいいですね」
【千歳】「……それ、褒めてる?」
【氷景】「当然です」
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(片羽のペテン師@一ノ瀬邸)
【凛音】「料金!? お風呂に入るのに!?」
【蓮蒔】「ここの運営規則は、すべて穂澄が管理してる。アイツの意向に逆らう訳にはいかねぇ。俺も現在、200万くらい借金してるしな」
【凛音】「200万!?」
【蓮蒔】「穂澄の野郎には気を付けた方がいいぞ。アイツに逆らうと借金が嵩むぜ」
【凛音】「ウソ。穂澄さん、あんなに優しそうなのに……」
【蓮蒔】「200万なんて、別にそんな大した金額じゃねぇだろ。一晩の仕事で500万。簡単に返せる額だぜ」
【凛音】「し、仕事一つで、500万!? ……あり得ない。いくら何でも金銭感覚が麻痺し過ぎです!」
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(片羽のペテン師@片羽の館)
2023年6月10日
【桐流】「長!」
【地影】「探したよー。副官室にも書庫にもいないからさー。てっきり今日は非番なのかと思って、探しついでに食堂三往復もして来ちゃった」
【桐流】「その両手に抱えている大荷物は?」
【地影】「あー、これ? 食べる? お好み焼き。入り口の売店で試供品販売してたんだよね。シーフードカラシマヨネーズソース味だって。なかなかの珍味だよ」
【桐流】「いえ、自分はまだ職務中ですから。……というか、長。勤務時間中に間食とは、玉珠鎖の魔導司法官としての自覚が足りませんよ」
【地影】「アハハ! 相変わらず堅物だなー。桐流……。細かいこと気にするなって。もぐもぐ……うん、なかなかいけるな、これ」
【桐流】「長! ……まぁいいでしょう。それで、私に何か御用ですか? 樹海牢の罪人に対する裁決の議案書提出期限まで、まだ時間があるはずですが……」
【地影】「うん、あれの期限は確か来週までだったかな。もぐもぐ……」
【桐流】「では、もしや、何か緊急の案件でも!? 長が自ら私をお探しになられるということは、よほどの大事件……!」
【地影】「あー、違う、違う。今日は公的な用事で来た訳じゃなくて……。ロビーにお客さんが来てるからさ。伝えに来ただけ」
【桐流】「客? 客ですか? 私に……? はて、本日の来客予定はないはずですが……」
【地影】「あれ? 桐流が呼んだんじゃないの? てっきり俺は、彼に来季玉珠鎖の受験案内をしてあげるつもりなんじゃないかと思ったんだけどな」
【桐流】「受験案内? 来季玉珠鎖……まさか!?」
【地影】「そ。彼……氷河くん、だっけ? 桐流の弟さん。会いに来たんじゃないか? 愛しの紗結良ちゃんに」
【桐流】「はぁ!?」
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【氷河】「あ、桐流兄! こっち、こっち!」
【桐流】「……氷河、何をしている? 来訪するときは、予め長や私にアポを取ってからにしろと、いつも言っているだろう。訪問先への事前のアポなど、社会の常識だぞ」
【氷河】「分かってるけどさー、桐流兄に連絡しても全然繋がらないじゃん。ケータイに掛けても留守電だし、メールの返信だっていっつも夜とか翌日だしさ」
【桐流】「当たり前だ。職務時間中にケータイなど弄っていられるか。だから、昼休みや休憩時間帯を狙って連絡すれば済む話だろう」
【氷河】「そんなの、俺、分かんねぇもん。桐流兄の行動を読むなんて、エスパーじゃねぇんだしさ。そんな簡単に読めねぇっつーの。だから、さゆ姉に頼んで、手っ取り早く地影さんに話通してもらったんだよ」
【桐流】「なっ……!? 聞いてないぞ、私は! 紗結良、どういうことだ!?」
【紗結良】「あら、ちゃんと副官室の桐流くんの机の上にメモを置いといたわよ。今日の昼間、氷河くんが来季玉珠鎖の受験案内の資料を取りに来訪するから、いろいろ案内してあげてねって」
【桐流】「……だから、長がわざわざ私に伝えに……」
【紗結良】「それを確認してないなら、むしろこの件については、氷河くんよりも桐流くんの方に落ち度があるんじゃない?」
【桐流】「む……」
【紗結良】「それに、地影さんだって、わざわざそんな堅苦しい手続き必要ないっておっしゃってたし」
【桐流】「だからと言って、いきなりそんな案件を直接長に持っていく奴があるか! そういう時は、まず段階を踏んで玉珠鎖の受付事務局に話を通してだな……!」
【紗結良】「そんな面倒くさいことする必要ないわよ。相手は副官の身内だもの。気軽に来てもらえれば、それでいいじゃない」
【桐流】「そういう問題ではない! まったく、揃いも揃って非常識な……。長の手を煩わせるなど、玉珠鎖の魔導司法官としてあってはならない大問題だぞ!?」
【紗結良】「そんなこと言われても……」
【氷河】「さゆ姉ばっか責めんなって、桐流兄。願書を受け取ったらすぐ帰るからさ。俺もこの後バイトあるし」
【桐流】「バイト? ……そういえば、氷河。お前、今は蒼海薬房でバイトのはずだろう。なぜここにいる? まさかサボって来たわけではあるまいな?」
【氷河】「違うって。ちゃんと深海さんに許可得て来たよ。俺が来季玉珠鎖の受験を志願しているってことは、蒼海薬房の皆が知ってることだしさ。何かと協力してもらってるんだよ」
【桐流】「深海……? 白凰魔法騎士団長のあの男か。まぁ、彼には虹河も世話になっているからな。今回は大目に見よう。……だが、次はない。心しておけ。仮にも玉珠鎖の魔導司法官を目指す者ならな」
【氷河】「分かってるって。……あー、これ、虹河姉からの差し入れ。後で皆で食べてくれだってさ。じゃ、またなー!」
【紗結良】「ありがとう、氷河くん。虹河ちゃんや皆によろしくねー!」
【氷河】「あぁ」
【桐流】「やれやれ。人騒がせな奴だ」
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(我ら、白凰魔法騎士団!@玉珠鎖)
玉珠鎖
2023.6.10(Sat)
火風火・猫猫
2023.6.10(Sat)
2023年6月9日
白凰・朱里
2023.6.9(Fri)
2023年6月8日
火眩・蒼海
2023.6.8(Thu)
2023年6月7日
白凰・朱里
2023.6.7(Wed)
2023年6月6日
玉珠鎖
2023.6.6(Tue)