玉珠鎖6件]

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【桐流】「長が唐突に『眼鏡、貸してー』とおっしゃるので、何か重大な意味があるのかと思い、即座に手渡したら、なぜかそのまま持って行かれてしまった。何故、私の眼鏡を……もしや、単なる面白半分では……。いや、それよりも問題なのは、私は極度の近眼なのだ。眼鏡がなければ仕事にならん。何とかして取り戻さなければ……。まったく、長の気まぐれにも困ったものだ」

玉珠鎖玉珠鎖

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【紗結良】「さっき、玉珠鎖の売店で地影さんがお好み焼きの試供品をたくさんもらっている現場を目撃したの。あの売店って、他所では見かけないような珍しい商品をいろいろ置いてるからお昼休みとかに行くとものすごく混んでるのよねー。しかも、すぐに売り切れちゃうし……。私もこっそりお裾分けしてもらっちゃった。桐流くんに見つからないうちに急いで食べちゃわないとね」

玉珠鎖玉珠鎖

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【桐流】「先程、長に言われて気が付いたのだが、今日は私の誕生日だったな。もう何年も長いことずっと自分の誕生日など意識したことがなかったから、すっかり忘れていた。今朝方、虹河が作ってくれた弁当がいつにも増して豪華だったのはそのためか。ようやく腑に落ちた。そういえば、紗結良や呉乃の連中もまた何やら意味深な話をしていたな。『今夜は絶対に残業しないで定時で帰宅すること』とか、何とか……。まぁ、大体内容は察せるが、たまには興に乗じてみるのも悪くないのかもしれないな」

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【地影】「あ、いたいた、桐流ー!」

【桐流】「長!」

【地影】「探したよー。副官室にも書庫にもいないからさー。てっきり今日は非番なのかと思って、探しついでに食堂三往復もして来ちゃった」

【桐流】「その両手に抱えている大荷物は?」

【地影】「あー、これ? 食べる? お好み焼き。入り口の売店で試供品販売してたんだよね。シーフードカラシマヨネーズソース味だって。なかなかの珍味だよ」

【桐流】「いえ、自分はまだ職務中ですから。……というか、長。勤務時間中に間食とは、玉珠鎖の魔導司法官としての自覚が足りませんよ」

【地影】「アハハ! 相変わらず堅物だなー。桐流……。細かいこと気にするなって。もぐもぐ……うん、なかなかいけるな、これ」

【桐流】「長! ……まぁいいでしょう。それで、私に何か御用ですか? 樹海牢の罪人に対する裁決の議案書提出期限まで、まだ時間があるはずですが……」

【地影】「うん、あれの期限は確か来週までだったかな。もぐもぐ……」

【桐流】「では、もしや、何か緊急の案件でも!? 長が自ら私をお探しになられるということは、よほどの大事件……!」

【地影】「あー、違う、違う。今日は公的な用事で来た訳じゃなくて……。ロビーにお客さんが来てるからさ。伝えに来ただけ」

【桐流】「客? 客ですか? 私に……? はて、本日の来客予定はないはずですが……」

【地影】「あれ? 桐流が呼んだんじゃないの? てっきり俺は、彼に来季玉珠鎖の受験案内をしてあげるつもりなんじゃないかと思ったんだけどな」

【桐流】「受験案内? 来季玉珠鎖……まさか!?」

【地影】「そ。彼……氷河くん、だっけ? 桐流の弟さん。会いに来たんじゃないか? 愛しの紗結良ちゃんに」

【桐流】「はぁ!?」

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【氷河】「あ、桐流兄! こっち、こっち!」

【桐流】「……氷河、何をしている? 来訪するときは、予め長や私にアポを取ってからにしろと、いつも言っているだろう。訪問先への事前のアポなど、社会の常識だぞ」

【氷河】「分かってるけどさー、桐流兄に連絡しても全然繋がらないじゃん。ケータイに掛けても留守電だし、メールの返信だっていっつも夜とか翌日だしさ」

【桐流】「当たり前だ。職務時間中にケータイなど弄っていられるか。だから、昼休みや休憩時間帯を狙って連絡すれば済む話だろう」

【氷河】「そんなの、俺、分かんねぇもん。桐流兄の行動を読むなんて、エスパーじゃねぇんだしさ。そんな簡単に読めねぇっつーの。だから、さゆ姉に頼んで、手っ取り早く地影さんに話通してもらったんだよ」

【桐流】「なっ……!? 聞いてないぞ、私は! 紗結良、どういうことだ!?」

【紗結良】「あら、ちゃんと副官室の桐流くんの机の上にメモを置いといたわよ。今日の昼間、氷河くんが来季玉珠鎖の受験案内の資料を取りに来訪するから、いろいろ案内してあげてねって」

【桐流】「……だから、長がわざわざ私に伝えに……」

【紗結良】「それを確認してないなら、むしろこの件については、氷河くんよりも桐流くんの方に落ち度があるんじゃない?」

【桐流】「む……」

【紗結良】「それに、地影さんだって、わざわざそんな堅苦しい手続き必要ないっておっしゃってたし」

【桐流】「だからと言って、いきなりそんな案件を直接長に持っていく奴があるか! そういう時は、まず段階を踏んで玉珠鎖の受付事務局に話を通してだな……!」

【紗結良】「そんな面倒くさいことする必要ないわよ。相手は副官の身内だもの。気軽に来てもらえれば、それでいいじゃない」

【桐流】「そういう問題ではない! まったく、揃いも揃って非常識な……。長の手を煩わせるなど、玉珠鎖の魔導司法官としてあってはならない大問題だぞ!?」

【紗結良】「そんなこと言われても……」

【氷河】「さゆ姉ばっか責めんなって、桐流兄。願書を受け取ったらすぐ帰るからさ。俺もこの後バイトあるし」

【桐流】「バイト? ……そういえば、氷河。お前、今は蒼海薬房でバイトのはずだろう。なぜここにいる? まさかサボって来たわけではあるまいな?」

【氷河】「違うって。ちゃんと深海さんに許可得て来たよ。俺が来季玉珠鎖の受験を志願しているってことは、蒼海薬房の皆が知ってることだしさ。何かと協力してもらってるんだよ」

【桐流】「深海……? 白凰魔法騎士団長のあの男か。まぁ、彼には虹河も世話になっているからな。今回は大目に見よう。……だが、次はない。心しておけ。仮にも玉珠鎖の魔導司法官を目指す者ならな」

【氷河】「分かってるって。……あー、これ、虹河姉からの差し入れ。後で皆で食べてくれだってさ。じゃ、またなー!」

【紗結良】「ありがとう、氷河くん。虹河ちゃんや皆によろしくねー!」

【氷河】「あぁ」

【桐流】「やれやれ。人騒がせな奴だ」


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(我ら、白凰魔法騎士団!@玉珠鎖)

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【地影】「ねぇ、この後飲みに行かない? 桐流や紗結良ちゃんも誘ってさ。玉珠鎖の地下に俺の行きつけの店があるんだけど、そこのメニューは大半がすげー変わり種でさ。前からずっと気になってたんだよねー。えっと、本日のオススメは……ハニーレモンのタルタルチーズケーキだって。一体どんな珍味だろうな」

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【紗結良】「あら、今帰り? 随分遅くまで頑張ってるわね。私はこれから雨春先生の所に行く予定よ。魔導書の詠唱呪文についてちょっと聞きたいことがあるんだけど、思いのほか支度に手間取っちゃって……。もしよかったら、貴方も一緒にどうかしら。手土産も用意しないといけないし、おなかも空いちゃったからね。ウフフ、ちょっと付き合って。もちろん奢るわよ」

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