用語解説 黒都編
呪術黒都国(じゅじゅつこくとこく)
朱里国の西に位置する巨大な敵勢力の一つ。略称は黒都。蒼海の国や他の隣国とも古くから因縁があるらしい。星来が持つ七天星を狙っており、彼女を守護する白凰魔法騎士団とはいつも対立している。
黒衣の双子の兄・隼斗はこの国の主要な幹部であり、妹の夜白は捕らわれの身。
蒼海樹海牢の監獄や玉珠鎖内部にも根を張っていると噂されているが、真相は不明。
朱里国との国境にはアツィルトの森が広がっており、縦断するのはかなりきつい。
北部に霧賀、南部に黒妖楼が存在するらしいが、どちらも明確な国境を持たない秘境の地である。
アツィルトの森(あつぃるとのもり)
黒都と朱里の国境にある巨大な樹海の森。迷路のような冥界への入口。昼間でもまったく日の光が届かず、森を抜けるまで永遠に暗闇が広がっている。
獰猛な生物や邪悪な魔の化身などが多数生息しているらしい。
黒闇術師(くろやみじゅつし)
隼斗の二つ名。漆黒の刻印師とも呼ばれる黒都の呪術師。いつも傍らに魔性の闇烏を従えている。邪悪な暗黒魔法の使い手であり、六幻と呼ばれる六つの特殊な呪印で相手を魔道に引きずり込み、支配する能力を持つ。
六幻刻印術(むげんこくいんじゅつ)
隼斗の能力の一つで禁じられた暗黒魔法の一種。略称は六幻。怨恐、束縛、降魔、改竄、洗脳、枯渇の六つの呪印、または、それらの刻印術を指す。
一時的なものと永久的なものがあり、一度刻まれた呪印の失効は極めて困難である。
怨恐の呪印を一ノ幻(いちのげん)、束縛の呪印を二ノ幻(にのげん)などと呼ぶこともあり、真珠の紅紋様は六ノ幻(ろくのげん)の枯渇の呪印に該当する。
邪紋呪の指輪(じゃもんじゅのゆびわ)
隼斗が右手の親指に付けている銀色の指輪。属性は闇。漆黒の刻印師の証であり、一度はめると容易には外せない。所持者の魔力と血滴により、六幻刻印術や特殊召喚術、闇烏の使役などが可能。
隼斗が幼い頃に地影からもらったものらしい。
魔性の闇烏(ましょうのやみがらす)
刃烏の二つ名。猛毒の羽根を持つ異界の黒い烏。人の姿に変身する能力を持ち、その間は片言を話せる。常に闇を好む習性があるため、昼間は魔力が半減する。
召喚主である隼斗の左眼下方と髪の一部に呪印を刻み、契約の証とした。
漆黒の巫女(しっこくのみこ)
夜白の二つ名。月の満ち欠けによって光と闇の魔力が変動し、強大な暗黒魔法を生み出す特異体質。通常は満月の夜に完全なる光、新月の夜に完全なる闇となるが、侵食と呼ばれる特殊な現象により、皆既月食の条件を満たした満月の夜に最も闇属性が強まるらしい。
現在は黒闇術師の命令にのみ従順。
闇が混属しているせいか、日の光が苦手らしい。常に日差しを遮る魔性のマント・月紫雨を羽織っている。
月紫雨のヴェール(つきしぐれのう゛ぇーる)
夜白がいつも身に付けている青紫色の布素材。略称は月紫雨。日差しを遮り、闇の魔力を強める特殊な力が備わっている。月の光を受けると淡い薄紫と桃色に光るらしい。
本来は日除け用に顔や頭部を覆うためのものだが「せっかくの可愛い素顔を隠すのはもったいない」という隼斗の意見で現在のマントの形に特殊改良された。
千夏(ちなつ)
柚香が所持している魔性の傀儡人形。愛称はちなっちゃん。魔物の魂を宿したいわく付きの人形で、柚香の感情で変化する七色の瞳を持つ。しゃべれる。
緋涙玉の闇水晶(ひるいぎょくのやみずいしょう)
所持者は水鏡。様々な物体や空間を召喚することが出来る魔性の水晶玉。元々は紅蓮の所持品であり、朱雀の火魔力が宿る代物。
封印のために花恋に向かう途中で水鏡に奪われたらしい。
写し身の術(うつしみのじゅつ)
水鏡の能力の一つで禁じられた暗黒魔法の一種。水や鏡などに特殊な術式を施すことで、そこに映った標的を時空歪の異次元に迷い込ませるという恐ろしい魔術。
時空歪(じくうひずみ)
緋涙玉によって生み出される時間と空間の歪。脱出困難な暗黒の異次元であり、長時間の滞在は命の危険にもつながるらしい。
時の幻惑師(ときのげんわくし)
時音の二つ名。時刻と黒猫の杖を操り、不吉を招くと恐れられている。導刻術と呼ばれる禁断の魔法を使いこなす。いつも頭部に蒼水玉の輪、首元には鈴音を身に付けている。
時刻(ときざみ)
時音が持つ魔性の懐中時計。色は黄金。時間と空間のバランスを歪ませて約三分間の幻影悪夢を見せる他、一日のうちに計13回の災厄を招くという呪いの時計。
解呪にはおよそ72時間を要し、その後もしばらくは後遺症が残るらしい。
文字盤の配置が本来のものを鏡に映したような左右反転の形になっており、時計の針も逆に動く。
導刻術を司る太古の魔導器でかなり危険な代物らしい。
導刻術(どうこくじゅつ)
時音の能力の一つ。時を自在に操ることが出来る禁じられた暗黒魔法の一種。現在は玉珠鎖の法により使用は不認可。
風地咲が所有する二大禁書に古代の文献が記されているという噂。
蒼水玉の輪(そうすいぎょくのわ)
時音の頭部に付いている青色の輪。時の幻惑師の象徴の一つで導刻術の発動に必要なものらしいが、詳細は不明。
鈴音(すずね)
時音の首元に付いている黄金のベル。蒼水玉の輪と同じく、時の幻惑師の象徴の一つ。非常に美しい音色を奏でるが、その音には邪悪な魔力が宿っている。
黒妖楼(こくようろう)
黒都の南に位置する黒猫族の拠点で、不吉をもたらす魔性の黒猫たちの縄張り。別名、常闇の都。常に漆黒の深い闇に覆われており、迷い込んだら二度と出ることは出来ないというまやかしの楽園。
時折、月の光で妖艶な紫色に輝くらしい。
時音の故郷。
四邪身(しじゃしん)
黒都の象徴として祭られている闇の四大邪獣の総称。黒龍、黒烏、黒蝶、黒猫の計四体が存在する。朱里の四聖神とは相反する魔性の化身。
禁じられた暗黒魔法を司る闇の秘宝を数多く生み出している。
闇の秘宝(やみのひほう)
四邪身の加護を受けた呪いのアイテム。世界四大秘宝にわずかに残存していた特殊な闇成分だけを抽出して作られたと言われている。
自らの魔力と引き換えに強大な暗黒魔法を得ることが出来るが、一度使うと秘宝に宿った四邪身の闇に魅入られて人道を外れてしまうらしい。
邪紋呪の指輪、月紫雨、緋涙玉、時刻など数多くの存在が知られており、その大半は黒都の幹部らによってほぼ独占されている。
黒龍(こくりゅう)
龍我の二つ名。彼が使い魔にしている黒炎の龍の総称でもある。四邪身の中でもトップクラスの実力を持つという噂。
2011.11.28~2022.3.12
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