用語解説 火眩編

火眩(かぐら)

朱里国の南に位置する火を祭った太古の国。火炎の朱雀によって守護されている。
他国に比べて年中温暖な気候であり、夏は灼熱地獄。一日の日照時間はかなり長いらしい。
遥か南方に緑焔という絶海の孤島があり、皇家の近港からたまに船が出航している。
紅蓮、莱樹、紅葉、白零、煌龍、藍泉、小凜、楊好、錬花、鳴花、諫魚、水鏡、天元、麗嵐、雪嶺、瑶月、紅月の故郷。

火炎の朱雀(かえんのすざく)

世界四大秘宝の一つ、火炎の弓矢を守護する四聖神の一体。
天空の劫火と恐れられるほどの凄まじい炎をまとった紅い鳥。

火炎の弓矢(かえんのゆみや)

火眩の秘宝の一つ。圧倒的な破壊力を持つ豪炎の弓矢。この世に射抜けないものはないと言われるほどに強大な魔力を秘めている。
弓の両端には紅色の炎が灯っており、火炎の一族にしか触れられないような特殊な結界が張られている。
非常に危険な代物であり、取扱いには充分な注意が必要。
元々は紅蓮が所持していたが、今は弟子の莱樹に譲り渡されている。

戦場の劫火(せんじょうのごうか)

紅蓮の二つ名。すべてを焼き尽くすほどの強大な火魔術を使いこなすため、この名が付いた。
いつも蒼炎のペンダントを身に付けており、火炎の朱雀の加護を受けた炎の精霊を二体従えている。
自身も両手や口から炎を出せるが、魔力の消耗が著しいため、ほぼ相棒に頼り切りらしい。

火南(かなん)

朱雀の分身で紅蓮に従う精霊の一体。性別は男。普段は蒼炎のペンダントに宿っている。大きさは手のひらサイズ。
紅蓮の右眼と契約を交わしており、身体の色は赤。右眼の下に赤いダイヤの模様がある。
時折人の姿に変身することも可能。人姿時の身長は168センチ。無愛想で口が悪く態度もでかい。
紅蓮のことは呼び捨てにしている。

火粉(かのこ)

朱雀の分身で紅蓮に従う精霊の一体。性別は女。普段は蒼炎のペンダントに宿っている。大きさは手のひらサイズ。
紅蓮の左眼と契約を交わしており、身体の色は紫。左眼の下に紫のダイヤの模様がある。
時折人の姿に変身することも可能。人姿時の身長は158センチ。明るく活発でおしゃべりな天然。
紅蓮のことはちゃん付けで呼ぶ。

蒼炎のペンダント(そうえんのぺんだんと)

紅蓮が身に付けている青緑色のペンダント。一見ただのアクセサリーだが、火炎の魔法を使う際には青色の炎を灯す。
火南と火粉が宿っているため非常に高温であり、紅蓮以外の者が触れると一瞬で黒焦げになってしまうらしい。
火炎の聖典大魔導師の証。

花恋(かれん)

火眩の港町で紅葉が経営している魔法道具屋。命名は紅蓮。
店の規模は小さいが、非常に評判がよく、全国各地から様々なアイテムを求めて旅人が訪れる。
時々珍しいお宝や掘り出し物が見つかることもあるらしい。
闇の秘宝や危険な魔導器などを浄化・転送・封印することも可能。代価は様々。
ひょんなことから恋雀が護衛として居候することになったらしい。

魔導器(まどうき)

魔法道具の一種で魔を導く器の総称。
火炎、水流、風地、氷結、草花、芳香、月星、閃光、雷電、時空、暗黒など多数の属性が知られている。形状や性能は様々。
所持者の魔力を動力源として発動するため、属性が魔導器と完全に合致しなければ使用は不可能。
ただし、ごく稀に器に宿った精霊や魔性の化身などが代わりに力を発揮してくれたりすることもあるらしい。
使用にはそれ相応の魔力と高度なスキルが必要。中には特殊な契約や代価が必要なものや、発動回数に制限を持つものも存在する。
他者への譲渡は基本的には不可。一部例外もあるが、極めて希少。器のランクが高いものほど威力は増大するが、その分危険度も増す。
世界四大秘宝や黒都の幹部らが独占する闇の秘宝などはその一例である。

紅鉱石(こうこうせき)

紅葉の右耳にある紅色のピアス。火炎の朱雀の加護を受けた高温魔鉱石。
邪気を感知すると淡い赤紫色の光を放ち、周囲に危険回避用の特殊な結界を形成する。いわば一種の魔除けのお守り。
紅葉が花恋を継ぐ際に紅蓮から預かったもので、以来護身用にずっと身に付けている。
蒼炎のペンダントの副産物。

紅葉の手袋(くれはのてぶくろ)

正式名称は未定。紅葉が両手に付けている青緑色の長手袋。紅鉱石同様、火炎の朱雀の加護を受けているため、やや温かみを帯びている。
手袋の両端に魔除け用の淡紅色の宝珠が施されており、一部の魔本や魔法道具に仕掛けられた禁断の魔唱や罠などを回避することが可能。
普段は両手首に付けた二つの淡桃色のブレスレッドで力を封じているが、闇の秘宝の浄化・転送・封印の際には魔性の詠唱呪文が浮かび上がってくるらしい。
この魔唱発動時には術者の魔力が著しく消耗されるため、常日頃から少しずつ魔力を蓄えておける便利な機能が備わっている。
花恋の商品を直接素手で触れるのは危険だと考えた紅葉が自ら作り出した代物。非売品。

皇家(こうけ)

退魔霊武術の名門として知られる火眩の名家。莱樹、白零、煌龍、藍泉、小凜、楊好、諫魚の実家。
恋雀は分家の生まれであり、皇家始まって以来の天才とうたわれた煌龍の弟子である。
才能や実力よりも血統を重視する傾向にあり、正統後継者は本家直系の男子のみという特別な家訓が存在する。
一部の者はこの方針に反対しており、家訓を改定すべきだという意見が提言されている。
かつて煌龍が次期当主に最も近い存在だと言われていたが、前述の理由により自ら後継者の座を退いたらしい。
先代(五代目)当主の息子であり、小凜の実兄である楊好もまた訳あって継承権を放棄している。
現当主は本家直系の六代目、皇藍泉。莱樹と白零は七代目当主候補である。

退魔霊武術(たいまれいぶじゅつ)

皇家に伝わる特殊な格闘技。
退魔霊符を操り、災厄を祓うことで人々を危険から守る高等複合武術。

退魔霊符(たいまれいふ)

恋雀の武器。皇家秘伝の特殊な呪符。闇に潜む魔を退ける力を持つ。
霊幻道士にしか扱えないらしい。

霊幻道士(れいげんどうし)

退魔霊武術を極めた者に与えられる皇家公認の称号。提唱者は煌龍。
恋雀は史上最年少でこの資格を得た。

転属(てんぞく)

ある時期を境に魔属性がまったく別のものに変化すること。白零と雨春がこれに該当する。
一度属性が変わると二度と以前の状態には戻れないのが通例だが、稀に各々の属性が交互に発現することもあり、要因は様々。
基本的には後天性の人為的二種混属性の一種として知られているが、実例は少ない。極めて特異な現象。
混属との大きな違いは、二つの属性が同時に発現しないことである。必ず片方ずつの発現だと言われている。
一方が効力を発揮している間はもう一方は失効する。ただし、消滅するわけではない。
雨春は自らの属性を他者に知られることを防ぐため、あえて特殊なバンドでこの現象を封じているらしい。

火流水炎双剣術(かりゅうすいえんそうけんじゅつ)

白零の特技の一つ。
火炎と水流の二属性を交互に特殊な双剣に宿すことで強大な威力を発揮する高等複合剣術。

青結(せいゆい)

白零が髪に結わえている二本の青緑色の紐。
解くと火炎と水流の魔力を宿した特殊な双剣に変形する。
揚羽が持つ闇の秘宝・黄結とよく似た形状をしているが、どのような関連性があるのかは不明。

焔帝(えんてい)

藍泉の異名。
皇家の歴代当主の中で最も火力が強い高純度の火炎魔法を操る。

焔帝狼(えんていろう)

狼焔の異名。
普段は藍泉のマントのファーに宿っている。

緋扇(ひおうぎ)

藍泉の武器。深紅の大型扇子。骨の大きさは直径約六十センチ。開くと上半身が隠れるほどの巨大サイズとなる。
扇の親骨には二本の飾り紐と無数の装飾が施されており、折りたたんだ状態でも様々な用途に使える優れ物。
要の部分に結わえ付けられた緋色の宝珠が魔力調節の機能を担っている。

桜花水扇(おうかすいせん)

小凜の武器。淡い水色の小型扇子。扇面に桜と兎の模様が描かれている。
草花属性の魔導器の一種であり、薬兎の神獣が二体宿っている。

薬兎の神獣(やくとのしんじゅう)

桜花水扇に宿る兎の化身。略称は薬兎。桜夜と木花の総称。
薬師としての能力を持ち、小凜のサポートを担う。

幻煙魔香炉(げんえんまこうろ)

楊好の武器。煙管形の魔導器。柄の部分は伸縮自在で最長約30センチにもなる。
幻煙魔香と呼ばれる魔性の煙を操る力を持つ。火炎と草花の両属性が兼ね揃わないと使うことが出来ない特異なアイテム。
対象物に一定時間様々な幻覚や記憶の改ざんなどの効果を植え付けることが可能。
噂ではとある植物の希少な抽出成分から作られる非合法薬物の一種らしいが、詳細は不明。
徐々に気分が高揚するような豊潤で甘美な香りが特徴。
時折術者にも何らかの影響があるらしいが、楊好には無害。
深紅の柄に金剛石や翡翠など様々な装飾と模様が施されており、パイプの先には特殊な鎖とチャームが巻き付けられている。

猫猫(まおまお)

楊好が率いている薬売り兼情報屋の組織名。楊好、錬花、鳴花、諫魚が属する。
表向きは様々な情報の売買や合法的な薬酒の提供など。他にもいろいろと手広く活動しているという噂。
火風火とはかなり密接な関わりがありそうだが、詳細は未定。
裏社会に暗躍する数多くの犯罪組織や非合法薬物などの密売ルートにも詳しい。
命名の由来は楊好が猫好きだからとか……。

火風火(かふか)

火眩を拠点に世界各国を暗躍する謎の盗賊団。別名、天元旅団。首領は天元。
元は麗嵐がお宝探しの義賊団として設立したものである。
現在は玉珠鎖によって全国に指名手配されており、大半が捕獲されたが、まだ残党も多い。
かつて黒都の水鏡が在団していたらしい。
皇家とは秘密裏に締結した特殊協定があるが、公にはされていない。

天元旅団(てんげんりょだん)

火風火の勢力のうち、陸上に拠点を置く組織。天元、弥実、紅月が属する。
主な活動はお宝探し。猫猫から情報を買いつつ、裏社会の闇金連中の一掃なども担う。

麗嵐海賊団(れいらんかいぞくだん)

火風火の勢力のうち、海上に拠点を置く組織。麗嵐、雪嶺が属する。
大型の海賊船を所有しており、一日のほとんどを船上で過ごしているらしい。

皇家と火風火の特殊協定(こうけとかふかのとくしゅきょうてい)

楊好が麗嵐と内密に結んだ特別な約束事の総称。
かつて皇家の宝物殿を狙った火風火に対し、楊好が独断で事態の収拾を図ろうと双方の利となり得る交換条件を提示して締結させたものらしい。
皇家と火風火との間では一部が絶対的な取り決めとして尊重されているが、非公式なルールのため知る者は少ない。
この存在を知っているのは、楊好と麗嵐、そして当時その現場に居合わせた一部の者たちだけである。
協定の締結に至るまでの経緯や詳細はすべて皇家本家には伏せられているため、大半の者は楊好が火風火と結託して皇家を裏切ったと思っているらしい。
主な内容としては、楊好の皇家次期当主継承権放棄および火風火に対する不問、火風火が今後一切皇家を標的にしないことなどが掲げられている。

言霊呪縛(ことだまじゅばく)

天元の能力。無生物を有生物として使役する厄介な禁術。
かつて二大禁書の解読中に独断で会得した技。

火眩の大賢者(かぐらのだいけんじゃ)

天元の異名。三大賢者の一人で雨春の弟子。
S級魔導司書の資格を持つ。言霊呪縛の使い手。

蓮夏帝国(れんかていこく)

火眩に古くから栄える火を祭った大帝国。第一皇女は姉の瑶月、第二皇女は妹の紅月。
護衛として皇家の大半が雇われている。

言ノ葉(ことのは)

蓮夏帝国に伝わる太古の秘術。言葉に宿る様々な力の根源。
代々皇族の第一子にのみ受け継がれる特異能力で、発現後は皇位継承の器として非常に寵愛される。
一方で、単に蓮夏の実権を握ろうと企む輩に利用される危険性も秘めている。
現在は瑶月にその力が宿っていると言われており、紅月が姉の政略結婚や身の安全を心配している。
風地咲が持つ八大魔本の高速詠唱や天元の言霊呪縛による使役などにもこの力の一部が応用されているという噂。


2011.11.28~2022.2.11

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