用語解説 風地編
風地(ふうち)
朱里国の東に位置する風の民と地の民が共存する国。疾風の白虎と大地の玄武によって守護されている。他国に比べて非常に風が強く、一日のうちの半分は砂塵が舞うほどである。
未凪、黒衣、風地咲、隼斗、夜白、地影、黎明、蓬生、雛菊の故郷。
疾風の白虎(はやてのびゃっこ)
世界四大秘宝の一つ、風の文鳥を守護する四聖神の一体。一息であらゆる病を治癒することが出来る白い虎。
風の文鳥(かぜのぶんちょう)
治癒魔法と意志疎通の能力を持った異界の手乗り文鳥。情報収集が得意で、諜報要員として未凪が飼い慣らしている。普段は白い姿をしているが、能力発動時には全身の毛色が黒みを帯びた茶色に変わる。常時、瞳の色は赤い。
ミンキーと名付けられた。
疾風の魔女(はやてのまじょ)
未凪の二つ名。風を操る能力を持つ。特技は芳香幻惑と癒しの風。相棒はミンキー。武器はブーメラン。
芳香幻惑(ほうこうげんわく)
未凪の能力の一つ。特殊な香水を使った風の魔法で相手の身体機能を麻痺させ、幻覚や偽りの記憶を埋め込む効果がある。一定時間が経過すると失効する。
癒しの風(いやしのかぜ・ヒールウィンド)
未凪の能力の一つ。風の文鳥ミンキーを操り、様々な傷や病を治癒する回復魔法。疾風の魔女の極意。
四葉飾り(よつばかざり・クローバーチャーム)
未凪のスカーフに付いている黄緑色の四葉のアクセサリー。諜報要員用の特殊通信機。ミンキーの首元にも同じものが取り付けられていて、双方の連動によって様々な情報をやり取り出来るらしい。
ミンキーとの対話もこれで可能だが、未凪以外の者が手にするとただのブローチになってしまい、すべての機能が消失する。
風地の羽根(ふうちのはね)
未凪のブーツと風地咲のマントに付いている純白の羽根。空中浮遊能力と癒し効果が備わっている。風地の国に生息する白銀の風見鶏から採取される希少な素材で、上質の物はかなりの高値で取引されるという噂。
手触りはとても柔らかくてふわふわしている。ほのかに森の香りがするらしい。
大地の玄武(だいちのげんぶ)
世界四大秘宝の一つ、聖剣オーヴを守護する四聖神の一体。大地を揺るがす緑の蛇と茶色の亀。
聖剣オーヴ(せいけんおーぶ)
大地を唸らせ、天候を操る魔性の大剣。重量は約二十キログラム。肩に担がなければ持ち運べないほどの巨大な鋼鉄の剣で、並の人間では触れることすら出来ない代物。
鍔と鞘には無数の装飾が施されている。
黒衣にしか使いこなせないらしい。
大地の魔剣士(だいちのまけんし)
黒衣の二つ名。地の魔法と聖剣オーヴを使いこなす。非常に怪力の持ち主。
ペンタクルの呪印(ぺんたくるのじゅいん)
黒衣の左頬にある黄色い星型の模様。どのような経緯で刻印されたものかは不明だが、噂では双子の兄・隼斗との戦闘によって受けた魔傷らしい。
魔本(まほん)
正式名称は魔導片手本。賢者が武器とする魔力を秘めた不思議な本。様々な現象を引き起こす特殊な詠唱呪文や属性魔法の術式演算、召喚魔方陣の書き方などが事細かに記されている。
大きさは文庫本程度のものから肩に担ぐ巨大なサイズまで多種多様。中には所有の際に特殊な契約や代価が必要なものもあるらしい。
三大賢者とその師がこれらの扱いに詳しく、特殊なライセンスを取得している。
詠唱の難易度は六段階あり、ランクに応じて威力や効果は様々。
極めて稀な自我を持つ魔導書や八大魔本など、最古で最強の魔導書が存在するらしい。
グリモワ(ぐりもわ)
雨春が所有する巨大な魔本グリモワールの略称。しゃべれる。詳細は「朱里」のページを参照。
八大魔本(はちだいまほん)
風地咲が所有する八冊の古代魔本の総称。大きさは雑誌くらい。現存する書物の中で最も歴史が古いらしい。火の書、水の書、風の書、地の書、光の書、闇の書、白の書、黒の書の計八冊が存在し、それぞれ赤、青、緑、茶、黄、紫、白、黒色を呈している。
各々に固有の意思が宿っており、取扱いには特殊な契約およびS級魔導司書の資格が必要。
背表紙には古代文字で書かれた魔性の呪符が貼られている。
白の書と黒の書についてはいわく付きで、玉珠鎖が二大禁書に指定しているため、風地咲が厳重に管理している。
編纂には三大賢者の師である雨春が関与したという噂。
二大禁書(にだいきんしょ)
八大魔本のうち、白の書と黒の書の二冊を指す。白の書はすべてが真っ白で中身も白紙。一方、黒の書はすべてが黒く塗りつぶされた装丁らしい。
一見何も書かれてないように見えるが、ある特定の条件を満たすことで呪文や術式が解禁される仕掛けになっている。
どちらも詠唱にはかなりの代価が必要であり、効力も謎に包まれているため、玉珠鎖の法で使用が制限されている。
噂では白の書は生命を司る禁断の魔本、黒の書は死霊を操る禁呪の魔本らしいが、真相は不明。
他の古代魔本と同様、普段は背表紙に特殊な呪符が貼られた状態でパピルスの書庫に保管されている。
風地の大賢者(ふうちのだいけんじゃ)
風地咲の二つ名。八大魔本を使いこなす高速詠唱のスペシャリスト。雨春の弟子。博識で有名。三大賢者の一人。
S級魔導司書(えすきゅうまどうししょ)
賢者を目指す者が誰しも憧れる夢の肩書き。提唱者は雨春。あらゆる魔導片手本についての知識が豊富で詠唱技術も優れていると王室に認定されれば、年に一度の特別な魔唱試験を受験する資格が得られる。
非常に難関な試験を突破しなければならないが、その分合格時に与えられる特典は超豪華。風地咲は13歳の時にこの資格を得た。
かつて紗結良と天元が魔導詠唱の試験官を務めていたらしく、彼らをまとめて三大賢者と呼ぶこともある。
魔導詠唱(まどうえいしょう)
賢者に必要な能力の一つ。魔唱ともいう。魔本や魔導書の効力を発動させるために唱える呪文や術式。
パピルスの書庫(ぱぴるすのしょこ)
風地咲が管理を任されている朱里国城内の王立魔導図書館の別名。元は雨春の所有空間。詳細は「朱里」のページを参照。
玉珠鎖(たまずさ)
法で裁けない罪人を罰する権限を持つ独立司法執行機関の名称。地影、桐流、紗結良、黎明、寧々菓、蓬生、杏、雛菊、高遠の職場。風地の国の最東端に位置しており、様々な機密事項が密集する超重要機関の一つ。蒼海樹海牢の監獄や呉乃などもこの一部である。
瞬時に各国の主要施設に移動するための不思議な泉が存在する。
国や地域の治安維持のために犯罪捜査にも果敢に取り組んでおり、常に法の徹底遵守を促進している。
極刑や執行猶予などの裁定は一部の例外を除いてほぼ認められているが、一度下した判決を覆すことだけは絶対不可。この掟に違反した者は厳しい処罰の対象となる。
魔導司法官と呼ばれる特殊な資格を取得する必要があり、その認定試験は非常に難関である。
氷河が来季の受験を志願しているらしい。
魔導司法官(まどうしほうかん)
玉珠鎖で働くために必要な国家資格。この世界で唯一司法執行に携わることが出来る希少な職種。玉珠鎖の他にも蒼海樹海牢の監獄や呉乃、世界各国の司法機関など配属先は様々。
認定試験は年に一回であり、一度不合格になるとその後三年間は受験資格が得られないらしい。倍率はかなり高い。
試験は毎年朱里国の王都で行われる。合格者には玉珠鎖の入官式で認定証とともに特注の青緑色の花冠ブローチが授与される。
役職に応じて階級があり、長である地影が唯一S級ランクの資格を所有している。
最上位のS級から超級(上位一級・二級)、特級(中位一級・二級)、準等級(準一級から準六級まで)が存在し、準六級がいわゆる初級である。
雨流れの制裁(あめながれのせいさい)
地影が蒼海樹海牢の番人だった頃に犯した重大なペナルティ。蒼海真珠海の事件で終身刑になった真珠の釈放を独断と特例で容認したことが玉珠鎖の掟に背いたとして咎められ、本人同意の上、桐流によって左眼を失った。
魔導司法官が自ら処罰の対象になった前例は一切なく、以来玉珠鎖ではこの一件は禁句になったらしい。
紫電の雷霆(しでんのらいてい)
地影の二つ名。紫色を帯びた特殊な高圧電流を体内に宿しており、意図した相手を瞬時に感電させる能力を持つ。武器は電撃と雷槍。自身は避雷針にもなれるほど、雷電に強い。普段は頭部の呪符で力を制御している。
雷華の羽衣(らいかのはごろも)
地影が羽織っている淡い藍色の羽衣。略称は雷華。雷属性の魔導器の一種で、地影の左耳のピアスと連動して力を発揮する仕組みになっている。羽衣の形状は軽くて柔らかい布素材だが、とある条件下で上質な空飛ぶ魔法の絨毯に変形する優れもの。
絨毯の素材は丈夫で、所々に豪華な装飾品と魔方陣の刺繍が施されている。
羽衣自体にも浮遊魔法が掛けられているため、簡易的な空中浮遊が可能。
飛行機能は便利だが、雷に耐性がないと即座に感電してしまうらしい。見た目よりも危険な代物。
文鳥饅頭(ぶんちょうまんじゅう)
風地の国の銘菓の一つ。可愛らしい文鳥の形をしたお饅頭で、中身は粒あんやこしあん、チョコレートやクリームなどの甘味系が多い。巷では可愛すぎて食べるのがもったいないとよく言われているらしい。
風見鶏焼き(かざみどりやき)
風地の国の名物の一つ。特製の香ばしいタレと秘伝の醤油で味付けされた鶏肉の直火焼き。酒のつまみに大人気らしい。
2011.11.28~2021.10.17
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